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『送料無料』が労働環境に影響している   近畿物流政策懇談会   運輸局、トラック協会、労働組合が意見交換(2020/01/19)


令和元年度近畿物流政策懇談会が12月17日、大阪市内のホテルで行われ、近畿運輸局、近畿トラック協会、運輸労連近畿ブロックが出席し、働き方改革やトラックドライバーの人材確保などについて意見交換を行った。
 冒頭のあいさつで、大阪府トラック協会の井上泰旭副会長は、「労働環境の改善が人材不足の改善にとって重要な課題であるが、私ども業界の力だけでは限界があり、適正運賃の収受・荷待ち時間の解消について、荷主企業の理解と協力がより一層求められる。トラック運送業界は生活と経済を支えており、その業界を支える労働者が希望をもって働ける業界に変えていかなければならない。そのためにも、運輸行政、労働組合の皆さまと三位一体で諸問題の解決及び業界の地位向上に取り組んでいかなければならない」と述べた。
 その後、近畿運輸局自動車交通部貨物課の平田克也課長が「人材不足と働き方改革への対応」、近畿トラック協会の滝口敬介専務理事が「人材不足と取り組みの現状について」、運輸労連近畿ブロックの山口善弘代表委員が、2019年5月9日に実施した「全国一斉アンケート調査結果報告」について、それぞれ報告を行った。
 終わりに設けられた意見交換では「送料無料」という表現について活発な意見が交わされた。
滋賀県トラック協会の外村善一副会長から、「朝のテレビのコマーシャルの中に我々が声高に言っている運賃について『無償』の言葉が連呼されている。毎朝、通販の会社が運賃無償をテレビで流している。我々、トラック業界がなぜこのような放送を今もって誰も言わないのか。こういうことが、消費者を勘違いさせている。結果的に『トラックの運送はタダでも運んでくれるんだ』という大きな勘違いを招いており、そういうことが労働環境に波及している。協会でクレームを入れて欲しい」と訴えた。
 建交労の芦崎光夫事務局長は、「毎年、国土交通省、厚労省、経済産業省に要望を行っているが、この数年経済産業省は、送料の表現について『送料無料は当社負担。運賃はタダにならない。消費者を間違った方向に誘導する。景表法違反ではないか』といった意見が聞かれる。当初は、これは表現の自由ということで片づけられていたが、経産省はこの1~2年で変わってきていて、どういう表現がいいのか経産省としても検討させてほしいと言っている。送料当社負担と運賃無料は違う」と述べた。
 また、最後に近畿運輸局自動車交通部の後藤浩之次長が、「送料無料の表現にしても経産省や農林水産省が物流に本気になってきた実感がある。次、運賃の告示がある。しっかりと運賃の告示がされたら強制力はないにしても、『国土交通省が決めた運賃を荷主が払わないってどう』という風潮があると変わってくるのかなと考える。こういうのを消費者団体を巻き込んでしっかり荷主にアピールしていかなけれならない」と強調した。