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これから180度変わる! ブリックス・宇野代表(2025/11/12)
運送会社減らすための監査に 更新制乗り切れる体制作り訴え
中小企業家同志会は学習会を開催し、運送会社専門のコンサル会社・㈱ブリックスの宇野栄一代表が「近年の法改正・厳罰化への対応について」と題し、セミナーを行った
宇野代表は今後の運送会社の事業リスクについて話し、「これから国は運送会社を間引いていくので、運送会社の数がどんどん減っていく。3年以内に運送業の許可というのは更新制になるが、更新できなければそれで終わり。しっかりと乗り切れる体制作り、将来に対する投資、これをしていかなければ、難しい時代に入ります」と強調。
さらに「これまで35年間、国は運送会社を増やす政策を取ってきたので、監査はあって無いようなものでした。形式的な監査をシャンシャンで終わらせて、『済んだ済んだ』当分はもう来ない」と安心できました。
これからは180度変わります。運送会社を減らすための監査が行われ、非常に厳しいものになります。自分の所で厳しい監査をクリア出来るように態勢を整えておかなければなりません。今までは荷主のせいにしていれば済んだが、一発でやられる時代がもうそこまで来ています」と続けた。
また、「国の大義名分は、『悪質な業者の排除』。法律の運用が厳しくなります。国は、ドライバー不足によるサプライチェーンの崩壊を深刻に憂いている。ドライバー不足解消には、ドライバーの賃金アップと、労働時間の短縮の同時達成が必須だと言ってます。
そのためには、運送会社の荷主に対するポジション、これを大きく上げないとダメ。それには、運送業における過当競争をなくすべく、運送会社を間引く必要がある。それは需給調整に入るということです。法令遵守出来ない、生産性で劣る運送会社を積極的に淘汰していく流れになります」と話す。
さらに、「生産性で劣るというのは、13時間で走れる運行を、15時間、20時間で走っているということです。ドライバーの多くは430の知識しかない。ちゃんとドライバーを教育して知識を入れて、その知識が実際の運行に反映出来るまで教育しなければならなりません。
また、日報をきっちり見ることです。『この日早く出てるのはなぜ?30分ずらして欲しい』や、『疲れて帰って来てるのも分かるが、ここまで帰って来てるのなら、一気に車庫まで帰って来て休憩に入って欲しい』と、細かく指導しなければなりません。
ドライバー任せで走らせていてはいけません。16時間30分の拘束時間のドライバーの日報を見て、どういう走り方をして、どこを効率化するのか。運行を改善しなければなりません。運行スキルの高いドライバーを育成するのが、これからの運送会社の勝ち組戦略です」と訴える。
トラックGメンについても触れ、「トラックGメンは一昨年7月に設立された国土交通省の専門部隊ですが、昨年11月からトラック・物流Gメンへ改組・拡充され人員数も倍増しました。トラックGメンは荷主へ行ってるが、トラック・物流Gメンは運送会社に来ます。
改正貨物自動車運送事業法で、運送契約締結時の書面交付が義務化されました。実運送会社の管理簿も作らなければいけなくなりました。これらをやっているかどうかを、物流Gメンが1年くらいしたら見に来ます。運賃や待機料、燃料サーチャージも含めて、きちっと書面で交わしておかなければなりません」と述べた。
最後に宇野代表は、「これからの時代に合った会社作りを努力する会社は、次の時代に残ります。そうすると美味しい果実が手に入り、会社も儲かり、ドライバーにも良い給料が出せ、荷主に対しても対等な立場で商売が出来ます。ここからの2~3年で必死に、厳罰化や厳しい監査に対応できる体質づくりとプロドライバーの育成。これが非常に重要になってくるのです」と締めくくった。(11月3日号)