電話でのお問い合わせは072-882-6258
〒571-0079 大阪府門真市野里町31-15
「とりあえず入ってみたら」はNG 若手人材を獲得する太陽商会(2025/09/28)
「ミスマッチは事前の面接で解消できる」
常に働きやすい職場環境作りに注力
運送会社・㈱太陽商会(瀬村人士社長、神戸市)は、現在、人材採用に力を入れており、多くの若手の人材の獲得に成功している。大型車38両、中型車13両を保有し、増車の計画は順調に進んでいる。瀬村社長と山本加代子部長に人材採用について話を聞いた。
まずは、求人を出しても出しっぱなしにはしないようにしている。とにかく「応募する」や「問い合わせをする」というボタンをクリックしてもらわなければ、面接や採用、うちで働いてもらうという所まで行き着かない。なので「いかにして、この会社に聞くだけ聞いてみようかなと思わせるか」「求職者が求める情報は何か?」と求人原稿を精査し頻繁に更新している。
また、同社を退職していく人にも、『差し支えなければ、なぜ辞めたいのか教えて欲しい』と一人ずつヒアリングを欠かさない。そうして集めた声を改善ポイントとして実務に反映させている。
同社では、神戸市東灘区と岡山県浅口市、兵庫県赤穂郡の3つに営業所がある。それぞれの営業所で働くドライバーにも地域特有の特色があり、神戸でのやり方を岡山のドライバーへやってと言ってもリズムが違うので上手くいかない。新しく採用するにもその車庫の雰囲気をしっかり把握し、それに合う人を見つける事が大事だと話す。
同社の経営理念・考え方に合う人に出会えるまで徹底的に面接で話しをする。『合うかどうか分からないけれどとりあえず入ってみたら?』は、絶対にしない。求職者が本当に納得して来てもらえるよう心掛ける。
以前は拠点ごとに採用の責任者を置いていたが、今は連絡漏れ等が無いように、採用部門は山本部長が一括して取りまとめている。
面接の日程決めに関しては、日曜なのか祝日なのか、朝が良いのか夜の方が都合がいいのか、徹底して求職者の希望に合わせる。求職者が来るのが無理ならこちらから行く。
つい先日も日曜日に岡山県まで、瀬村社長と山本部長の二人で行った。この時間帯しか無理と相手が言ったので合わせた。移動時間は往復6時間、面接は1時間だった。
また、「御社に入れて下さい」「働かせて下さい」という人には、とりあえず一旦『他と比べてもらい、それでも働きたいというなら連絡下さい』と1クッション置いて冷静になってもらうようにしている。
それで入社に至らないケースもあるが、その求職者が家庭でどんな話し合いが出来ているかも大事なポイントなので、奥さんにその点を説明してますか?とか、奥さんに了承を得ていますか?と、深くまでヒアリングする。
「結局、働き出してから起こるミスマッチの多くは、事前の面接で解消できる」という。
奥さんが旦那さんにどうして欲しいのかも大事。早く帰って来て子育てを一緒にやって欲しいのか、家にほとんど帰らなくても高い給料さえ持って帰って来て欲しいのか、夜中走って昼間家にいてもいいのか。
最近の家族は共働きが主流で、父親も子育て参加型が多い。子供の参観日は夫婦二人で行く時代。また、子供がまだ小さくて病気がち、夜中に旦那さんが家にいて欲しいと奥さんが思っていた場合、夜中の運行は成り立たない。
そういった家庭環境にも柔軟に対応するため、同社は所定の用紙があり、そこに休みの希望日を記入して提出させて、融通を利かせている。
山本部長は、「従業員皆が働きやすい職場環境作りには終わりが無いが、仕事が楽しければ辞めない、貴重な人材が定着する」と話している。
【写真】左から瀬村社長、3人の20代の事務員、山本部長