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クローズアップitiran

トラックの運転手がバスも運転  人材不足解消に新たな提案(2025/09/18)


みなと観光バス・松本社長

BCPの観点からも提携の必要性訴え

 みなと観光バス㈱(松本浩之社長、神戸市)は貸し切りバス33台、乗り合いバス35台、計68台を保有する。社員は100人。商社マンだった松本社長が脱サラし、1993年に設立した。設立から30年以上経つ今、ドライバー不足に頭を抱える。そこで、運送会社と提携した新たな人材不足対策を提案している。

 バス業界の運転手の平均年齢は54歳を超えており、みなと観光バスでは、60~65歳が中心。74歳の運転手もおり、松本社長は、若い人を入れていかないと、会社、ひいては業界自体が成り立たなくなると、危機感を持っている。そこで松本社長は運送会社とのコラボレーションを提案する。
 例えば、9―17時までトラックに乗って、休憩した後18時から路線バスに乗る。つなぎを脱いでバスの制服に着替え、 2~3時間勤務する。もちろん残業手当は支給される。トラックに乗務していない時間をバスの運転に振り向けてもらおうというものだ。
 土日祝日も運送会社との契約の上、トラックドライバーの空いた時間をバスに乗ってもらう。トラック運転手にとっては2024年問題で減少した給料を補うことができる。
 松本氏は、このバスとトラックの提携は災害面においても有益なものだとする。南海トラフ地震に備え、同社本社がある六甲アイランドでは年に数回防災訓練が行われているが、「大きい地震が来たとしても、公共交通は止められない。しかし、運転手が被災したら出社ができない。もちろん物流もストップする。トラック会社とバス会社、お互いが連携してBCP(事業継続計画)の観点からも相互に融通しあう形が必要」と訴える。

 【写真】みなと観光バス事務所