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「新改善基準で長距離しやすくなった」 2024年以降も長距離運行 トキハマエキスプレス(2025/08/06)


ポイントは待機と休憩、休息の理解 

 昨年に改正された改善基準告示で拘束時間が短くなり、長距離運行を撤退する動きが加速する中、トキハマエキスプレス㈱(原田幸之助社長、大阪府岸和田市)は告示事項を守り、長距離運行を行っている。

 同社は現在、関西から関東、九州、新潟方面へと長距離運行をこなしている。
関東まで月10往復走れて、1日原則13時間の拘束時間を下回っており、ドライバーは元気で帰ってくるという。
 原田社長は、「『休憩』と『待機』の定義を正確にわかってないところが多い。好き勝手に休憩しているドライバーは少なくない。会社も好き勝手に運転手に休憩させている。休憩が多いとこれは拘束時間になる。いかに休息を作って拘束時間を減らすか。要は管理職、ドライバーへの改善基準告示の徹底がコンプライアンを守った長距離運行につながる」と話す。
 そのポイントの一つが「430走行」。4時間走って30分休憩をとるが、原田社長によると、「1時間走ったら5分とか休憩をとっているドライバーがいる。これでは改善基準告示違反になる。なので、10分以上の休憩3回で計30分にする。そうすれば、4時間以内に30分以上の休憩が成り立つ」と説明する。
 もう一つの大きなポイントは休息だ。休憩は会社が管理する時間なのに対し、休息は、会社の拘束を受けない時間とされるが、1日の休息は最低9時間とる必要がある。長距離運行の場合は週2回まで8時間の休息が認められている。

 例えば、朝10時に積み地に入る。13時まで待つと、これは待機扱いとなり、労働時間になり、拘束時間にカウントされる。この3時間についてどう処理するか。3時間は荷物が積めないので休憩にする。 
 さらに拘束時間を削減するには、この時間を休息にする。分割休息だ。休息は8時間連続して取る必要はない(長距離の場合)。分割して取ってもOKだ。
 今回の改善基準告示の改正で2分割までだったのが、3分割まで休息が認められるようになった。1回3時間以上で、2分割の場合は計10時間以上、3分割の場合は計12時間以上をクリアすればよい。
 3時間+7時間=10時間、4時間+6時間=10時間、5時間+5時間=10時間、3時間+3時間+6時間=12時間、3時間+4時間+5時間=12時間、4時間+4時間+4時間=12時間。
 いずれも休息として認められ、拘束時間から差し引かれる。
 同社の1運行は週初めに車庫を出たら週末に帰庫するパターンだ。一度、外へ出たら、4~5日、帰って来ない。この運行は特に問題ない。

最初からできないと決めつけてる人多い

  原田社長は、「長距離運行は家に帰らせないとダメと勘違いしている人が多く、2日に1度家に帰らせるケースが多い。これは努力義務で規定されていない。家に帰ったら『眠たくて、眠たくて』になりがち。家に帰らずトラックの中の方が楽で健康的と話すドライバーが多い」と話す。
 また、今回の告示の改正について、「最初から長距離運行はできないと決めつけている人が多い。フエリーの乗船時間にしても休息に扱われるなど、長距離運行がやりやすくなった。外的要因で拘束時間がオーバーする場合、こういう事情があったと記録を残しておけばよい。9時間休息をメインで考えると拘束時間がオーバーするケースがある。拘束時間をまず考え、拘束時間をクリアすることをメインにしたら必然的に休息がクリアできる」と話している。(8月4日号)

【写真】トキハマエキスプレス 原田社長