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「フォーク業界に風穴をあけたい」 天野フォークリフト・八木社長(2025/07/30)
価格のオープン化など様々な取り組み 今秋に自社でフォークリフト試作機
天野(あまの)フォークリフト㈱(八木昌克社長、大阪市)は1972年に創業し、2009年に法人化した。新車・中古フォークの販売、メンテナンス、リース、レンタルを中心に事業展開している。
八木社長は、18歳から23歳までコマツフォークリフトに在籍していたが、23歳で父らが創業した天野フォークリフトに入社した。27歳で社長に就任したが、そのとき「フォークリフト業界は保守的なところがあり、グレーな部分も多く、これを変えていかないとダメだ」と強く思ったという。
保守的と感じていたのは価格面だ。30年前の当時、中古の乗用車は本体価格を明記していたが、中古フォークリフトでは本体価格を明記していなかった。
ホームページが出始めた頃だったが、中古フォークリフトの値段を出したところ、中小の事業者を中心に問い合わせが出てきた。
八木社長は、フォークリフトの価格だけでなく、タイヤ、バッテリーなど付属するものもオープンにしていった。価格を出すことは当時はタブー視されていたので、販売会社からクレームが入ることもよくあったという。
タイヤ・バッテリーは純正品が販売の基準だったが、同社では海外製を扱い、積極的にお客さん目線で販売していった。価格で差別化を図ることで、お客さんが増え、メンテナンス業務も増えていった。
フォークリフトは、車の車検に相当する1年ごとの年次検査をしなければならないが、天野フォークリフトでは、基本料金を安くし、工賃もリーズナブルに設定。純正部分ではない外品も使ってメンテ代を下げていった。
今、八木社長は、他にも様々な取り組みを行っている。八木社長自らメーカー系ディーラーではないサブディーラーに声をかけて、横のつながりを持つコミュニティを作った。現在20社が集まって活発に情報交換を行っている。
また、中国の業者とパイプを作り、中国から直接部品を輸入し、自社でフォークリフトを作る計画が進行している。バッテリーで動く、立って乗るリーチ車であるが、秋に試作機の第一号が出来るという。
これまでサブディーラーでは出展がなかった物流展(今年4月の関西物流展)への出展も果たした。
八木社長は、「フォーク業界に風穴をあけたい。コストを下げてお客さんに喜んでもらえる風通しのいい業界にしていきたい。大阪の町工場がフォークリフトを作れたらおもしろい。もっとワクワクする業界を作りたい」と意気込んでいる。(7月21日号)
【写真】会社をイメージした絵の前に立つの八木社長