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保育園で会社の雰囲気が一変 鮎陸運倉庫(2025/06/25)
女性ドライバー入社し、定着率も向上
冷凍チルド食品の運送をメインに事業展開する鮎(あゆ)陸運倉庫㈱(田中誠道社長、大阪府大東市)は7年前の平成30年4月に企業主導型保育園(チャレンジキッズ保育園)を立ち上げた。企業主導型保育園は、会社が自社の従業員のために事業所内などに保育所を設置するものだが、従業員の多様な働き方に柔軟に対応でき、地域住民の子どもも受け入れることもできる。
現在、同社では運転手は60人いるが、女性ドライバーが6人と1割を占める。6人のうち3人の女性ドライバーが子どもを同社が運営する保育園に預けている。女性ドライバーは出勤時、子どもを隣接する保育園に預けてから配送の仕事に出ていく。仕事が終わると、保育園から子供を引き取って帰宅する。
チャレンジキッズ保育園を立ち上げてから女性ドライバーが入社するようになった。やはり会社内に保育園があることで安心感があるとのことで、募集を入れたら女性からの問い合わせが急に増えたという。
同社では、女性ドライバーの保育料、給食費はすべて会社持ちにしている。従業員の負担はなしにしている。保育園の受け入れが3か月から可能ということもあって女性の関心度は高い。
田中社長は同社の2代目の社長になる。昔から少子高齢化から運送業界は人材不足になり、女性や外国人の手を借りないと仕事が立ち行かなくなるだろうという思いはあった。
先代の時は、同社はブラック企業だったという。労働時間も長く、労使間のトラブルも絶えなかった。7年前に田中社長のお父さんにあたる先代が亡くなって、田中社長が社長に就任。
代替わりしたときに、「このままではダメになる。会社の雰囲気を変えなければ。3K職場のイメージを変えなければならない」との強い思いから保育園の建設に踏み切った。
会社の雰囲気は変わった。それまで女性が不在でギスギスしていた社内の雰囲気が、人がやわらかくなったのだ。女性ドライバーが洗車するのをまねて、洗車し始める男性ドライバーも出てきた。雰囲気が一気に明るくなり、現在もいい風が吹いているという。
食品が7割。他、自動車部品など一般貨物を扱うが、女性ドライバーはカゴ車でルート配送を行う。保育は朝7時30分から夕方6時30分まで。この間で仕事をしてもらっている。
田中社長は、「保育園は3年かけて準備してきた。結構大変だったが、作って良かった。育休、産休制度を利用して職場復帰する女性ドライバーもおり、全体の定着率も向上した。20歳代30歳代のドライバーも増えていっている」と話している。(6月16日号)
【写真】チャレンジキッズ保育園の軽本園長(左)と田中社長