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今、注目のEQとは? 「こころの知能指数」(2024/02/21)


離職率低下など職場の課題解決に


 離職率やハラスメント、メンタルヘルスなど職場の課題解決につながるとして、「EQ(Emotional Intelligence Quotient、感情マネジメント力)」が注目されている。EQは、自分や相手の感情を適切に察知して適切な行動をとる能力で、「IQ(知能指数)」と対比して「こころの知能指数」とも呼ばれる。


 例えばEQが高い上司は、部下の話をさえぎったり否定したりせずに聞き、部下の現状に配慮しながら指示を出すことができるとされ、EQが低い上司は、部下に相談されても寄り添わず一方的に指示命令するので、部下のモチベーションを下げてしまう。
EQ向上研修などを手掛ける㈱アドバンテッジリスクマネジメント(東京都)によると、管理職のEQが向上すると、リーダー人材の育成、ハラスメント防止、メンタルヘルス対策、生産性向上が期待できるという。
 また、EQは、傾聴を意識し、相手の良いところを見つけ、日記などで自己分析することで、高めることができるが、企業でもEQの導入を取り入れているところがある。
導入自動車部品メーカーの㈱エフテック(埼玉県久喜市)では、コミュニケーション改善の取り組みとして、管理職のハラスメント未然防止と行動改善を支援するためEQ研修を導入した。
 検査結果をもとに各自が行動目標を立て、毎週進捗(しんちょく)シートを担当部署に提出。3か月後、再度検査すると、「人間関係構築の行動」「相手の気持ちに寄り添う行動」の数値が増えた。
 同社の担当者は、「数値と共に自分の課題が具体的に示されることで『自分自身で気付いて変えよう』という意識変化があった」と振り返る。

 
 包装機械製造などを行う大森機械工業㈱(埼玉県越谷市)の課題も上司と部下のコミュニケーションで、組織風土改革のため、まず社長や役員がEQ研修を受けた。検査で自分の課題を把握し、「社内では褒(ほ)める言葉が少ない」といった共通の課題にも気づいた。
 同社の担当者は、「経営層の意識が変わりトップダウンからボトムアップ型へ組織作りを急速に進めた結果、ストレスチェックの結果が大幅に改善、メンタル不調者が減少し、業績も向上した。社内コミュニケーションの改善は、社員の働きやすさ、会社の成長につながる最優先事項です」と強調する。