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トピックスitiran

仕事量を減らすのは、下請法の「買い叩き」に該当しない?(2023/08/13)


運賃交渉応じる代わりに仕事量減


公取委「直ちに『買い叩き』とは言えない」



 京都の運送会社社長は次のように話す。
「3月に関西~九州間の長距離輸送について荷主と交渉を行い、運賃を7%値上げしてもらった。しかし、その後、仕事量が10%、20%と少しずつ減って行き、最終的にその長距離の仕事は無くなってしまった。この仕事は、うち以外にも運送会社2社が請け負っており、2社に仕事が流れてしまったようだ。
『2024年問題』に向け、長距離だけでなく地場の仕事も運賃の値上げを行っているが、国による監視強化の影響もあり、依然に比べ、交渉のテーブルに付いてくれる荷主は多くなった。ただ、問題なのは、値上げをした分、仕事量を減らされるケースがあるということ。仕事を一気に減らされるわけではないが、こちらが値上げした分、帳尻を合わせるように少しずつ仕事を減らしてくる。
このような取引が今後も続くのかと思うと正直頭が痛い」

 また、同社長は次のようにも話す。
「荷主が優越的な地位を利用して運賃の値上げを行わないのは、買い叩きなどの下請け法違反になる。ということは、値上げに応じたに代わりに、その分仕事を減らすことも、実質買い叩きに当たるのではないか。
 最近は、全体的に荷量が減少傾向にあり、2次請け、3次請けの仕事では、『いくらでも安くします』という運送会社が仕事を奪い合っている。まともに値上げ交渉をできるような状況ではない」
 5月30日、公正取引委員会は「令和4年度における下請法の運用状況及び中小事業者等の取引公正化に向けた取組」を公表したが、それによると、昨年度の勧告件数は6件だった。違反行為の内訳は、「下請代金の減額」が3件、「返品」が2件、「買いたたき」が1件、「不当な経済上の利益の提供要請」が2件。勧告にはあたらない「指導」の件数は8665件に及んでいる。
 京都の運送会社の件について、公取委経済取引局取引部の担当者は次のように話す。
「荷主・元請けにも『取引先選択の自由』(相見積り・値引き交渉の自由)があり、運送会社の値上げ要請を飲んだ分、仕事量を減らすことが直ちに『買い叩き』にあたるとは言えない。また、『仕事量を〇%以上減らした場合、下請け法違反・買い叩きとみなす』といった明確な線引きがあるわけでもない。例えば、『1割の値上げを受け入れた代わりに、発注量を5割減らした』という事実だけで、その荷主が『法令違反・買い叩きをしている』とみなされるわけではない」

 また、「荷主との取引内容に納得がいかない点があれば、公取委の相談窓口に申告を行い、我々に調査を依頼してほしい。我々は申告された取引内容を精査し、下請け法違反などの疑いがあれば、直ちに本格的な調査に入る。公取委は、荷主による物流事業者に対する優越的地位の濫用を規制するため、『荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の不公正な取引方法』の調査を継続的に行っている」(8月7日号)