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高速料金見直しについて大阪の会社訴え  深夜割増賃金の支払いで負担増に(2023/03/12)


「一般貨物にとっては『改悪』」



 国土交通省は1月20日、高速道路の割引について見直す方針を発表した。今回の見直しのポイントは次の3点。①深夜割引の適用時間帯を22時から翌5時までに拡大、②深夜割引の適用時間帯に【走行した分だけ】を3割引、③長距離利用者の負担軽減措置として、400㎞超の長距離逓減(ていげん)割引率を設ける。この他にも、見直しから5年程度、激変緩和措置を設ける。今回の見直しについて、大阪の運送会社トキハマエキスプレス㈱の原田幸之助社長は「割引の恩恵は大きく減ってしまう」と次のように疑問を投げかける。
 うちのトラックは、関西と関東を1週間で往復している。関西=関東の往復での深夜割引額は平均1万1000円ほどになる。月に4・5往復するなら、割引額は月間4万9500円。トラック30台なら月間約150万円の割引額になる。しかし、今回の見直しにより、22時から5時までの間に走った分しか割引が認められなくなれば、割引の恩恵は大きく減ってしまう。
 同じ運行ルートで、従来と同じ額の割引を受けようとするなら、深夜(22時から5時までの間)に走るしかない。しかし、その分ドライバーに深夜の割増賃金を支払わなければならず、負担が増える。
仮に深夜メインの運行に切り変えた場合、1日あたり1750円の割増賃金が発生することになる(※1000円/時×25%×7時間で計算した場合)。週5日稼働で8750円。月に4・5往復するなら3万9375円。トラック30台なら月約118万円の負担増だ。
 今回の見直しでは、長距離低減割引も設けられているが、400㎞超を走らなければ、従来の割引率(30%)のままで、仮に関西=関東の500~600㎞を走ったとしても、中型車で600~700円、大型車で900~1000円程度の低減効果しか見込めない。
 例えば、関西=関東の600㎞をフルに走って1000円の長距離割引になるとして、1往復で2000円。月4・5往復で9000円。トラック30台でも月27万円の割引額にしかならない。これでは深夜割増賃金の負担増分は、とうていカバーできない。
今回の見直しは深夜に長距離を走る路線便の会社にとってはメリットが大きいのかもしれないが、我々一般貨物の会社にとっては「改悪」以外の何物でもない。今回の見直しは「割引の恩恵を受けたいなら深夜にたくさん走ってください」と提案しているようなもの。
 ドライバーの労働環境を改善しようと努力しているのに、「割引が減ってしまう。また夜中に走ってもらえませんか」とお願いしなければならないのか。せっかく「昼間働いて、夜は休める仕事です」と言って募集をかけているのに、これではますます人が集まらなくなる。
 そもそも積極的に深夜に働きたいと考えている求職者自体、ほとんどいないのが現状だ。このままドライバー不足が改善できなくても良いと、国は考えているのだろうか。 
 また、割引の対象となる時間帯を22時から5時まで拡大したと言うが、早朝5時、6時から荷受けしてくれるところなど、ほとんどないのが現状。8時か9時までの待ち時間をどうしろというのか。ドライバーの拘束時間を減らそうと言っておきながら、これでは逆に拘束時間が増えてしまうではないか。
 荷主や元請けが荷受けの体制を改善するよう、きちんと働きかけも行ってくれるんですか」と問いたい。国交省は高速道路の割引(利用促進)の目的として、「一般道の沿道環境を改善するため」とうたっている。それなら夜だけでなく日中に割引対象の時間帯を広げるのが筋ではないでしょうか。(3月6日号)