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突然自動ブレーキが作動! 「エーミング」できていない可能性(2021/07/11)


自動ブレーキが正常に作動するかの検査


 2016年11月以降に製造された全ての新型の大型トラック(総重量22トン以上のトラックと13トン以上のトラクター)には、衝突被害軽減ブレーキが搭載されている。2019年1月から、車両総重量3・5トンを超えるトラックの新型車にも義務付けられた。この衝突被害軽減ブレーキにより事故の衝撃を緩和できたケースもあるが、「何もないところで勝手に急ブレーキがかかった」といった事業者からの声も上がっている。

 なぜそのようなことが起きるのか。整備工場の関係者によると、これは、「エーミング(機能調整)検査」というものが大きく関わっている。
衝突被害軽減ブレーキを正常に作動させるには、カメラやミリ波レーダーというものが正常な状態でなければならない。
 しかし、飛び石でヒビが入ったフロントガラスを交換したり、事故でバンパー等を交換する場合があるが、カメラがついたフロントガラスやミリ波レーダーのついたバンパー等の交換を行った場合、交換後にカメラなどの位置や角度が交換前と同じになっていない可能性がある。
 その場合、カメラがフロントガラス交換前とは違う方向を向き、結果としてカメラが対向車などに反応し、何もないところで急ブレーキがかかる現象が起こってしまう。
 そこで、交換後にカメラの位置や角度が交換前と同じになっているかを調べる作業が必要になってくるが、これが、『エーミング』というものだ。
エーミングは、衝突被害軽減ブレーキの他にも、車間距離制御、レーンキープアシストの機能が正常に働くか調べるためにも必要になってくる。

 そして、昨年4月から道路運送車両法が改正され、先進安全装置のついたフロントガラスやバンパー等の交換を行った場合、エーミングを行うことが求められるようになった。(義務付けではない)
 エーミング作業の実施には外部故障診断機(スキャンツール)やターゲットと呼ばれるもの、広い作業スペースが必要で、正確に作業するための知識も欠かせない。
電子制御装置特定整備という認証を受けた整備工場で、専門の機器を備え、専門の資格を持った事業所に限られる。
 また、各自動車メーカーからは、このエーミング計測は、フロントガラスやバンパーの交換時、必要とされているが、車検項目には入っていない。

 整備工場の関係者は、「カメラやミリ波レーダーに異常がきたせばエラーマークは出るが、それは、電波が飛んでこない、照射されていないなど根本的及び機械的異常。カメラがあっち向いている、こっち向いている、角度が真っ直ぐになっていないということではエラーマークは出てこない。車検時にヘッドライトが上を向いているか、下を向いているかを、テスターで測定するように、カメラやミリ波レーダーも車検時などにテスターで定期的に測定する必要があるのではないか」と話している。


【写真】エーミング検査